鳥取県を関西地域に含めるのには、違和感を感じる人も多いことでしょう。これは、関西地域振興財団による定義であり、普通は中国地方に含まれるのではないでしょうか。
ところで、鳥取県も看護師の不足という話は聞きますが、県全体ではおおよそ300人程度の不足と言われています。これは、全国的に見れば十分な人数であり、そのため鳥取県においては看護師の不足というのは、他の地域と比較するとそれほど深刻な問題では無いように思えます。
しかし、鳥取県は人口が少ないわりには高齢者の割合がとても高く、将来的には訪問看護や介護施設における看護の仕事の需要が高くなることが予想されます。
そうなりますと、当然ながら看護師の確保は重要な課題であり、こうした問題をおろそかにするわけにはいきません。
また、鳥取県も他の地域と同様、特定の地域に医師や医療機関が偏在する傾向にあります。もっと言ってしまえば、鳥取市以外の地域では医師も看護師も少ない状況にあると言えます。
そのため、鳥取県においても、こうした医療の地域格差の是正は喫緊の問題と言えます。
現在鳥取県では、看護師の養成所を東部地区に誘致しようという動きがあります。また、中部地区で看護大学を設置しようという動きもあり、これらが実現すれば、看護師が不足しているという状況は早く改善することが予想されます。
そうなりますと、現状のそれぞれの医療機関がそれぞれに医療サービスを提供する形ではなく、それぞれが連携して質の高いサービスを提供するとともに、看護師を目指す若い人の教育も並行して行える体制をいち早く築くことが重要になるでしょう。
また、地域の医療格差の是正のために、もっとも期待されている人材は、現在は看護現場にはいない元看護師です。
この人たちが職場を離れた理由は様々です。出産や結婚を期に一線を退いた人もいるでしょう。こうした人は、鳥取県下ではなんと55万人にも及ぶとされています。これは驚異的な数字です。
もし、この人たちの半分が現役に復帰し、鳥取県だけでなく他の地域でも働きはじめたら、全国的な看護師の不足を是正するために大きな助けとなることでしょう。
鳥取県は、こうした人材の職場への復帰の取り組みを積極的に行っている地域です。現場から遠ざかってブランクを不安視する人が、安心して職場に復帰するための教育制度の充実は、他地域も見習うべきものです。
今後は、離職率をいかに低くして、長く働ける職場にできるかが課題となっています。